2010-08-18 (Wed)
08:56
✎
8月に読んだ本⑤
●ALONE TOGETHER 本多孝好
う~ん。
なんだか不思議な感覚を感じた本でした。
主人公は、他人と自分の波長をシンクロすることで、心の奥にある想いを吐き出させてしまうという特殊な能力を遺伝的に持ってます。
この能力のために、両親を亡くした経験を持ち、自分自身も幻影とやり取りをする…。
主人公がシンクロした人たちが吐き出した思いは、どれもができることなら目をそむけたいもの。
あるいは、何か別の言葉に置き換えて、正当化して何とかバランスを取っていたもの。
人間の暗い部分を、小説として客観的に見ている分には、『…(認めたくはないけど)そういう暗い、嫌な部分、あるかも……わかるかも……』などと思いますが、実際に自分がその立場になって、そういう感情を暴かれ、認めさせられたとき、いったいどうなるのかと思うと、ゾッとするものがあります。
そういう、感情の暗いドロッとした部分を扱う話なのに、なぜかこの人の表現にかかると、妙に透明感があるようなイメージの作品になるのはなぜなんだろう。
感情って、言葉にするのが難しいことが多々あります。
自分自身の感情ですらそうなのに、他人の感情にシンクロしたからといって、なかなかそれを言葉にすること、させることって難しいのではないかと思います。
まして、主人公は21歳の若者なので、私的にはかなり無理があるような気がするのですが。
でも、なんていうのか、この人の作品に出てくる人物が、割とみな達観しているというか、諦観しているからなのか。
言葉回しがうまいのか。
すとん、と落ちてしまいます。
何とも表現し難いのですが、私的にはよかったです。
●ALONE TOGETHER 本多孝好
う~ん。
なんだか不思議な感覚を感じた本でした。
主人公は、他人と自分の波長をシンクロすることで、心の奥にある想いを吐き出させてしまうという特殊な能力を遺伝的に持ってます。
この能力のために、両親を亡くした経験を持ち、自分自身も幻影とやり取りをする…。
主人公がシンクロした人たちが吐き出した思いは、どれもができることなら目をそむけたいもの。
あるいは、何か別の言葉に置き換えて、正当化して何とかバランスを取っていたもの。
人間の暗い部分を、小説として客観的に見ている分には、『…(認めたくはないけど)そういう暗い、嫌な部分、あるかも……わかるかも……』などと思いますが、実際に自分がその立場になって、そういう感情を暴かれ、認めさせられたとき、いったいどうなるのかと思うと、ゾッとするものがあります。
そういう、感情の暗いドロッとした部分を扱う話なのに、なぜかこの人の表現にかかると、妙に透明感があるようなイメージの作品になるのはなぜなんだろう。
感情って、言葉にするのが難しいことが多々あります。
自分自身の感情ですらそうなのに、他人の感情にシンクロしたからといって、なかなかそれを言葉にすること、させることって難しいのではないかと思います。
まして、主人公は21歳の若者なので、私的にはかなり無理があるような気がするのですが。
でも、なんていうのか、この人の作品に出てくる人物が、割とみな達観しているというか、諦観しているからなのか。
言葉回しがうまいのか。
すとん、と落ちてしまいます。
何とも表現し難いのですが、私的にはよかったです。
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Last Modified : 2016-09-09
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2010/10/14 01:56 粋な提案